若年技能者人材育成支援

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若年技能者人材育成支援について

若年技能者人材育成支援等事業(ものづくりマイスター制度)

 若年技能者人材育成支援等事業(ものづくりマイスター制度)とは、厚生労働省の政策の一つで、「ものづくりに関して優れた技能、経験を有する方を「ものづくりマイスター」として認定・登録し、これら「ものづくりマイスター」が技能競技大会の競技課題などを活用し、中小企業や学校などで若年技能者への実践的な実技指導を行い、効果的な技能の継承や後継者の育成を行うものです。」(出展:厚生労働省ウェブサイト)とされています。
 当社では国家検定制度でもある「技能士」の育成に取り組んでおり、「一級技能士」に合格し、上記の制度に認定された2名の社員及び卓越した技能者(現代の名工)として表彰された当社社長が、県内の工業高等学校、技術専門校において若年技能者人材育成支援として、効果的な技能の継承や後継者の育成を行っています。
  
 当社ものづくりマイスター認定者
 認定番号 2013-04-007-1
  職種:電気溶接    氏名:後藤春雄
 認定番号 2014-04-087-2
  職種:電気溶接、鉄工 氏名:高橋茂男
 認定番号 2014-04-088-2
  職種:電気溶接、鉄工 氏名:髙橋秀昌
 厚生労働省 ものづくりマイスターデータベースへ

  
 

県内工業高校での溶接実習講師


 

県内工業高校での溶接実習講師

 

その他、宮城県職業能力開発協会より技能検定委員、技能検定補佐委員を委嘱され、委嘱状が交付されました。
  職 種:鉄工(鋼構造物鉄工)
     技能検定委員   1名
     技能検定補佐委員 1名
  職 種:建設機械整備(建設機械整備)
     技能検定委員   4名


インターンシップの受け入れ 

また、当社では地元高校からのインターンシップの受け入れを行っており、速実践業務体験とはいきませんが、溶接の基礎技術の他、業界での基礎的な事、2D・3DCAD、3Dプリンター等短い期間で多くの事に触れて頂けるようにしています。習得した技術を活かし、当社オリジナルのステンレス製ボックスや貯金箱付きペン立て、ネームタグなどをインターンシップ生が製作し、成果として持ち帰って頂いております。
 自ら製作したものを日常で使うことで、ものづくりへの動機付けになればと考えております。

インターンシップの受け入れ

ステンレス製ボックス


小学生高学年を対象としたものづくり体験

 小さい頃からものづくりの楽しさを知ってもらおうと、小学生高学年を対象としたものづくり体験を「特定非営利活動法人まなびのたねネットワーク」様と共に開催しています。当社は宮城県東部地域鉄工・溶接サプライチェーン15社※1の代表企業として携わり、市内の小学校高学年を対象に工場見学やものづくり体験を行っております。普段見慣れない機械を目の当たりにし、その使い道に沿った機械の仕事ぶりを自分たちが普段使用しているノリやハサミなどになぞらえて説明を受ける子供たちからは、なるほどと言った表情が見受けられます。

 ものづくり体験に使用する教材は、前述の当社オリジナルのステンレス製貯金箱付きペン立てで、メインとなる素材がステンレス製(SUS304)、底部には3Dプリンターで製作されたPLA樹脂を使用しています。この教材は工具無しで雑誌の付録感覚で簡単にできるようにと工夫されており、数十分で組立が完了します。設計図(説明書)を見ながら正確に金属を手で曲げ、目的の位置にはめ込むといった鉄工場で使う技術を無理なく再現したものとなっております。(非売品)

ステンレス製貯金箱付きペン立て

 
 
 

作業中は簡単なアドバイスのみ。
デコレーションして完成。個性がでます

 当社社員及び前述のサプライチェーンの協力もと、子供たちが実際に作業する現場に立ち会いアドバイスを送ります。注意事項などを最初に話し、後は可能な限り子供たちにまかせます。つくる喜びはパッケージされた品物を開けるところから始まり、つくるものを理解し、完成形をイメージし自分の手で最後まで作り上げることこそ、出来たときの達成感が得られると考えるからです。
 実際の作業では金属が手で曲がる事や、道具を一切使わずに立体的に組み上がっていくことに驚いた様子で、はめ込む作業に少し手こずるといった場面も見受けられましたが、最後にカチッとはまったときにやはり達成感が得られたという感想を頂いております。
 組み立てが完成した製品にはそれぞれ、シールを貼ったりペンで絵を描くなどして、世界で一つ、自分だけのオリジナル「貯金箱付きペン立て」が完成します。組み立てている時間と同じくらいこの作業が楽しかったという声も大きかったですが、それを含めての製作作業と考えていましたので、児童にとってこの「ものづくり体験」は非常に身のあるもになったのではないでしょうか。 

※1 宮城県東部地域鉄工・溶接サプライチェーンとは

東日本大震災で事業用の施設などに被害を受けた複数の中小企業者等から構成されるグループが復興事業計画を作成し、認定を受けた場合に、施設・設備の復旧・整備について、中小企業庁が補助するもので、中小企業等グループ施設復旧等整備補助金事業と呼ばれています。当社グループは第3次で申請・採択されており、宮城県東部地域鉄工・溶接サプライチェーンというグループ名の元、宮城県の東部地域にある鉄工所を中心に15社で形成されています。その15社の代表企業が当社となっており、ものづくり体験のほか共同で事業等を行っております。

平成25年度 「夢のゴミ箱プロジェクト」に携わりました

子供たちの「夢」を現実に

日本GE社主催 発明家プロジェクトで全国優秀賞に選ばれたアイデア

 平成25年秋、市内小学校6学年のアイデアが日本GE社2主催の「発明家プロジェクト」で全国優秀賞に選ばれました。そのアイデアというのが「夢のゴミ箱」でした。
 発明家プロジェクトで市内小学校に訪れたGE社の社員の方2~3人と小学生5~6人のグループで町を歩き、町の課題を見つけ、解決策を見つけクラスで発表するという活動の中で、実際に町を歩いたとき、町中にゴミが多いことに気付き、それをきっかけにテーマを「きれいな街にするために」と決めて、解決策を出し合い今回のアイデアにつながったそうです。ゴミを捨てるのが楽しくなる、ゴミを捨てずにはいられない、それが「夢のゴミ箱」であり、全国優秀賞に選ばれたアイデアでした。

 
 

製作中の夢のゴミ箱

 そのアイデアは、紙の上での想像でしかありませんでしたが、その子供たちのアイデアを、当時の小学校の校長先生を始め「まなびのたねネットワーク」の担当の他数人の大人達から、これが現実的に製品になったら面白いのではないかという話がでたそうです。
 当社にはその前からお付き合いがあった、まなびのたねネットワークの方から連絡があり、こういうわけで子供たちのプレゼンを聞いてもらえないかという話が持ちかけられました。話だけでもということで、プレゼンを聞く事になりましたが、そのプレゼンを聞き、突き動かされた当社社長が、夢を夢だけで終わらせずに具体化するにはどうしたらよいのかを考えようという事になりまし。ここに「夢のゴミ箱プロジェクト」が発足したのです。

 

イメージ左から「春」「秋」「冬」

 子供達のアイデアというのは春夏秋冬のゴミ箱で、それぞれイラストが描かれていました。それを具体化するのにさらに「春」、「秋」、「冬」に絞り込みました。(ちなみに「夏」のアイデアは流しそうめん風だったそうですが、期間の都合で製作しませんでした)
 イラストを元に立体化をイメージ、製作図を作成し、材料を揃え製作に取りかかりました。2月に正式に製作を依頼されてから納品まで約1ヶ月と短い期間でしたが、3月の卒業式を控えた6年生にその前なんとか届けたいとの思いでした。
 出来上がった、ゴミ箱はゴミを捨てるとそれぞれ光ったり喋ったりという仕掛けをしており、その電気的な制御は有限会社尾張技研様の協力で専用の回路を作って頂きました。

 卒業式目前だった「夢のゴミ箱」の贈呈式の時にイメージを描いた児童に声を吹き込んでもらいました。
引き渡し式で初めて見る「夢のゴミ箱」。自分たちのアイデアが実際に現実となって目の前にある。子供たちが皆嬉しそうな目をして、その「夢のゴミ箱」を見つめる姿を見て、夢のお手伝いをして良かったと思えました。
 「夢のゴミ箱プロジェクト」は成功裏に終わり、「夢のゴミ箱」はその後、大型商業施設や、日本GE本社などに展示され、いまは、学校や各所で活用されています。 


平成29年3月再び (「夢のゴミ箱」プロジェクト後日談)

埋設をする卒業生

 平成29年1月頃、市内の中学校のPTA会長さんが技術的相談ということで当社を訪れました。取引をしていた方であり、当社の仕事の内容も良くご理解いただいていましたので、当社で出来うる範囲のご相談でした。
 PTA会長を務めるその中学校は開校70周年にあたり、70周年の記念式典の中で20年前に埋めたタイムカプセルを同窓生達が掘り起こしたようで、その姿を見ていた在校生の保護者達から70周年の節目でもあるので、今年も埋設したらどうかという提案があったそうです。
 

 いざ、計画を立てるとネックになったのがタイムカプセルだそうで、既製品は予算内には収まらない、時間的にも間に合わないと言うことで、その製作も含めての技術的な相談でした。
 予算と時間をなるべく掛けず、タイムカプセルを製作し引き渡しました。後日埋設セレモニーに招待され、当社社長が出席をしてきました。このタイムカプセルは開校100周年となる30年後に掘り起こす予定で、卒業を控えた中学3年生が埋設を行いました。
 この中学3年生というのが、「夢のゴミ箱」を製作したときの小学校6年生であり、実に3年ぶりの顔合わせとなりました。奇しくも卒業記念という形でつながった縁でした。
 生徒からも驚きの声があり、「あ、夢のゴミ箱のときの社長だ」と声を掛けられたそうです。
 これを機に、生徒達がますます「ものづくり」に興味をもち、ひとりでも多くの職人が育ってくれることを願います。